XMFXニュースーFRB一時停止観測から米ドルは強弱混合

2023年6月8日

・FRB来週会合で一時停止は80%の確率
・米ドルは対ユーロで上昇も対豪ドルで下落
・本日カナダ銀行金利政策発表も市場の意見は利上げか一時停止に分かれる

昨日米ドルは、他の主要通貨に対して強弱混合でFX取引されました。特に、ユーロ、日本円そしてスイスフランに対しては上昇しましたが、豪ドル、NZドルそしてカナダドルに対しては下落しました。

ポンドに対しては実質横ばいでFX取引されました。

特に重要な経済指標や経済イベントがない中、来週のFRB会合を前に、FX市場による利上げ一時停止観測は80%と高まっています。7月での利上げ観測については、0.18%の利上げが一応予想されていますが、夏頃の利上げを条件として、FX市場は来年1月までに0.5%以上の利下げを期待しているようです。

月曜日に発表された米ISM非製造業 PMIは、5月の景気停滞を示し、新規受注と物価のサブインデックスの両方が低下しました。単位労働コスト指数の下方修正とISM製造業物価サブインデックスも低下し、また平均時給の減速とともに、インフレが予想以上に鈍化しているとの見方を裏付けました。

これらの指標結果を念頭に、来週水曜日のFRB会合前日に予定されている米インフレ指数の発表が材料視されるでしょう。インフレ指数が、総合とコア両方で減速を示す場合、夏の利上げに懐疑的な見方が強まり、米ドルへ打撃となる可能性があります。

逆にインフレが加速を示す場合は、米ドル上昇となる可能性があります。

一方、ユーロは昨日米ドルに対して最も下落しました。これはおそらく、ECBの調査で、ユーロ圏の消費者のインフレ期待が低下したことを示唆し、またオランダ中銀ノット総裁の発言にも起因しているようです。

ノット総裁は、インフレの抑制は難しいが、金融政策は効果の兆候を見せており、利上げ継続を段階的に行う必要があると述べました。

常にタカ派姿勢のECBラガルド総裁に比べて、この発言はソフトなスタンスであると捉えられ、全てのECBメンバーが利上げ継続に賛成の意を表しているわけではないことが窺われます。

FX市場は次回のECB会合で利上げを完全に織り込んでおり、一時停止前にさらに利上げの可能性があると見ているようです。

昨日、オーストラリア準備銀行が予想外に0.25%の利上げを決定したことから、豪ドルは上昇しました。豪中銀はまた、今後の引き締めも必要である可能性を明らかにしました。

この決定を受けて、本日金利政策発表を控えるカナダ銀行による利上げ観測も月曜日の30%から本日50%に高まっています。

そのため、カナダ銀行が一時停止を決定して、必要に応じて利上げを示唆する場合、カナダドルは限定的に下落するかもしれません。

カナダ銀行が、引き締めは終わりであると示唆する場合は、カナダドルは持続的に下落する可能性があります。しかし、本日利上げを決定して利上げ継続の可能性を示唆する場合は、カナダドルは反発するでしょう。

米株式市場は、ナスダックが再び牽引する形で上昇しました。FRBの6月一時停止観測の高まりと、7月利上げ観測の後退、そして来年の大幅利下げへの期待の中、債務上限が合意に達したことで、FX市場はリスクエクスポージャーの増加に前向きなようです。

それにも関わらず、ナスダックは10月の安値から40%以上上昇しており、3月中旬以来適正な修正は記録されていません。このため、特に米国債発行による流動性圧迫の可能性から、修正的な後退のリスクが高まっています。

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